奥の細道の旅の道中、芭蕉さんは山中温泉で八泊九日間の長逗留をし、多くの句と資料を残されました。
湯宿とした泉屋の先代・又兵衛豊連は、洛の安原貞室に影響を与えた人物として『俳諧水滸伝』にも紹介されています。

 元禄二年当時の泉屋は、幼主・久米之助(十四歳)であり、蕉翁に俳諧の手解きを受け、芭蕉庵桃青の俳号から桃妖の号と共に“桃の木の其の葉散らすな秋の風”の句を贈られます。

 一方、金沢から芭蕉・曽良の一行に加わった北枝も、蕉翁に俳諧を問い『山中問答』として残されています。

 また、当地は、芭蕉と曽良との別れの地であり、曽良への餞別として巻かれた『山中三両吟』の歌仙は、“翁直しの歌仙”として『やまなかしゅう』に納められ、貴重な研究資料となっています。

 湯けむりの中、湯座屋節(山中節の前身)が流れ、あちこちに木地挽の音が・・・。
そんな、山あいの温泉街・薬師山・道明ヶ淵・黒谷橋と散策し、いで湯に浴した芭蕉さんは、山中湯に“桃源郷”を見立てました。
 
 当館は、当時、泉屋に隣接していた湯宿、元・扇屋(桃妖の妻の実家)を修復し、俳諧師“芭蕉”縁の資料を中心に、伝統工芸としての漆器・温泉資料を合わせ展示致しております。
庭越しの御茶のひと時を、又“山中節”を習われるも良し、どうぞ御気軽にお立ち寄り下さいませ。一同快く御来館をお待ち致しております。


         平成25年 春 

            山中温泉 芭蕉の館  
                 二代 館長  平井義一






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